教育イノベーター川口泰輝のノート

シリコンバレーが注目する「NINSHIKI Technology(認識技術)」をベースにした新教育経済Edunomicsについて語ります

第2回 AIの本質とは何か?【シリーズ】Society5.0時代を牽引する新教育経済Edunomics

みなさん、こんにちは。
教育イノベーターの川口泰輝です。

Society5.0時代を牽引する新教育経済Edunomicsについてシリーズでお話していきます。

前回のエントリはこちら。
第1回AIが変えるビジネス環境 【シリーズ】Society5.0時代を牽引する新教育経済Edunomics - 教育イノベーター川口泰輝のノート


前回のエントリでは、AIに仕事が奪われた時、最後に残る「ヒトにしかできないこと」とは何か?を問いとして挙げていました。
この問いは、逆に言えば「AIにできることと、できないこととは何か?」という境界線を明確にすることです。

では、AIがしていることとは何でしょうか?

ここでは以前に話題になったAlphaGo(アルファ碁)と、その進化版であるAlphaGo Zero(アルファ碁ゼロ)を比較しながら、AIの仕組みについて考え、最後にはAIの本質へと迫っていきます。

 

まずアルファ碁と、アルファ碁ゼロの違いを整理しておきましょう(※)。

  • アルファ碁は、人間(プロ棋士)の経験や知識、定石など、過去の全てのデータを入力して、そのビッグデータをもとにディープラーニング(学習)させたもの
  • アルファ碁ゼロは、過去のデータは一切ゼロ、人間の経験や知識、定石も一切教えず、ルールだけを純粋に教えた状態でそこから自主学習により勝手に進化するもの

つまり、アルファ碁とアルファ碁ゼロの違いは「人間の理解方式から考えるのか、ルールそのものからゼロベースで考えるのか」の違いです。

(※)引用元(以下、同じ)

Noh Jesu 観術メルマガバックナンバー(「和の産業化」「悟りの産業化」の発信) » 【20180321】アルファ碁ゼロの登場から考える人間とAIの共存

ルールそのものからゼロベースで学習したアルファ碁ゼロは、アルファ碁に100戦100勝するまでに強くなりました。定石を自ら発見し、人間には予測不可能な手を繰り出すまでに進歩しています。こうなると、人間はもはや太刀打ちできませんね。

 

次に、AIの仕組みを整理してみましょう。アルファ碁とアルファ碁ゼロの特徴から分析すると、大きく2つの要素が抽出できます。

  1. ディープラーニング(深層学習)
  2. 自主学習

1つ目のディープラーニングは、近年のAI開発で大きく進展した分野です。詳しい説明は他に譲りますが、一言でいえば「キカイが人間の脳のように複雑なことを学習できるようになった」ということです。

次に、2つ目の自主学習は、アルファ碁ゼロの結果を受け改めてそのインパクトの大きさに注目が集まりました。

ここまでの話を整理すると、AIは最初のきっかけさえ与えれば、学習する上で人間を必要としないことがわかります。さらに言えば、AIがその無限の可能性を発揮するためには、人間はむしろ邪魔になるとも言われかねません。このままでは、進化発展したAIによって、人間の存在意味・存在価値が脅かされてしまうリスクがあります。

 

では、「AIにできないこと、AIの限界」とは何でしょうか?それは「AIは自らの意志を持って存在することができない」ことです。先ほど、「AIは最初のきっかけさえ与えれば、学習する上で人間を必要としない」と書きました。これは裏を返せば、人間がいなければAIは動き出せないことを意味しています。これは当たり前のようでいて、決定的に重要なことです。なぜなら、人間はAIよりも先に存在していますが、AIは人間にスイッチを入れてもらわないと存在できないからです。つまり、AIにできないこととは、「自分で自分のスイッチをONにできないこと」。実は、AIがキカイであること自体にAIの限界があります。

AIの本質は「0と1」。つまり、オンとオフのデジタルな存在です。AIの立場から観れば、人間は自分を存在させたり、存在させなかったりする何者か。「自分をオフ(0)にもオン(1)にもできる何か偉大なもの」だと映るかもしれません。この関係性・構造は宇宙自然の仕組み、メカニズムを理解する上で重要ですので、ぜひ覚えておいてください。

この関係性・構造について更に詳しく知りたい方は、下の動画をご覧ください(本編の約8分ごろから関係性・構造についての話が始まります)。

“ゼロ”のAI進化と“O=∞=1”の人間進化~アルファ碁ゼロの登場から考えるPersonal Universe開発の時代~ - YouTube